「What did you expect from The Vaccines? / The Vaccines」
ヴァクシーンズと読む。最初ヴァッキネス?とかヘンテコに読んでたオレがいた。なので念のため。そしてまた例によって例のごとくU.K.メディア大絶賛のふれこみつき。
しかしジャケットが好みだったので購入してみた。
出てきた感想は「うあ、、めっちゃありがちや〜ん」だった。全体に小粒感は否めない。ヴォーカルもさほど魅力的に思えないし。ビートの感じからいうと案外ラモーンズあたりから影響されてるのかも知れない。
だがそこはかとなく流れる疾走感とキャッチーさゆえに何度も聴いてるとだんだん良くなってきてしまった。
気づけばへヴィーローテーションの一枚に。これがデビューアルバムだということなので、当たり前だがこれからが勝負なんだろうな。
さりげなく応援していきたい。
「CONTRA / VAMPIRE WEEKEND」
ヴァンパイア・ウィークエンドの待望のセカンドアルバムなのだが、相変わらずつかみどころのないクセモノぶりを感じさせる新作だ。
重低音全盛の現代にこれほどスカスカで軽やかな音作りは、それだけでも十分に存在感をアピールする。
昔でいうと、ジョナサン・リッチマンとかモノクロームセットとか連想しちゃうね。
メロディーはデビュー作より幾分ポップになったようだ。特に1曲目とかフとしたひょうしについ口ずさんでしまう。
あと2,6曲目なんかも耳に残るなあ。
そしてこのシンプルでいて可憐なジャケット写真は最高にいいね。彼らの音楽性までもが垣間見れるような気がする。
このまま失速することなく、ロックシーンに新たな軌跡を刻み付けてほしいものだと思う。
「ライヴ1969 / SIMON & GARFUNKEL」
地味だ。だがそれが故に和む。
名作「明日に架ける橋」を録音した直後のライヴで、観客はその名曲をここで初めて聴くことになる。
曲が終わるとひときわ大きな拍手と歓声が鳴り響く。ポップスの歴史が塗り替えられた瞬間だ。
スタジオヴァージョンは音作りが壮大過ぎてイマイチ好きになれずにいたけど、このヴァージョンはシンプルで曲の良さがスッと伝わってくる。
これからしばらくすると二人はコンビを解消して別々の道のりを歩み始めるのだが、ここでの息の合ったハーモニーを聴くと残念で仕方ない。
ちなみに個人的S & Gの名曲は「四月になれば彼女は」「スカボローフェア」「サウンドオブサイレンス」「アメリカ」「ミセスロビンソン」がベスト5かな。
最後の来日公演と噂される今回のライブ観に行けない分、このアルバムを繰り返し繰り返し聴くのです。
「the eternal / sonic youth」
なんだか若さがみなぎってるなあ。
もちろん彼らのキャリアは20年以上を数えていて完全にベテランの域なんだけど、「音速の若さ」というグループ名通りの演奏、そしてたたずまい。
以前にもましてキャッチ−でパンキッシュなナンバーが続く。
一時期の彼らにあったある種の難解さはここにはない。ベーシストに元ぺイヴメント(!)のマーク・イボルドが参加していて彼のベースランニングも注目だ。
実はあんまり期待せずに聴いたんだけど、このアルバムはすごくよい。
ソニックユースによる、ソニックユースの、ソニックユースらしいアルバム。
オレもまだまだがんばらなきゃなと思わせてくれるに十分なこの一枚!!
「LOVE IS THE WAY / EDDI READER」
時は1988年、今まであるようで無かったような不思議な感触をもったグループがデヴューした。
グループ名はフェアグラウンド・アトラクション。
アコースティックで懐かしさと瑞々しさを同時に感じさせる楽曲の数々。中でも「パーフェクト」は大ヒットしたから覚えてる人も多いだろう。
しかし程なくバンドは解散し、ヴォーカルのエディリーダーは地味ながらも質の高いソロ活動を展開して根強いファンを獲得していったのだった。
そんな彼女のソロ何枚目かはわからないけど時代が変わってもいつまでも輝き続けるような素晴らしいアルバムを届けてくれました。
ざっとチェックしたらどうも彼女のオリジナルの歌は3〜4曲ぐらいな感じだけど、それでも関係ないやって思わせる彼女の歌の説得力がやはりすごい。
いそうでいないそのビトウィーンな立ち位置。
最初にあるようで無かったようなって書いたけど、今でもまさにそんな音楽。
幻をずっと追いかけ続けるような、夢の中を彷徨うようなそんな音楽。
ゆったりとした時間を過ごしたい人にはモロお薦め
「IT'S BLITZ!/YEAH YEAH YEAHS」
NY出身のパンクロックトリオ ヤーヤーヤーズのこの卵をブシュ!ってやってるジャケットのが3枚目のアルバムになります。
スージースーをちょっと想い起こさせるカレンOのヴォーカルが相変わらず最高にかっこいい。
今回は押すだけじゃなくて引くことも覚えたっていうか音楽の引き出しが増えたっていうか進化を推し進める姿勢がステキ。
ファーストアルバムからのファンも満足させつつ、音楽的な冒険も忘れない。これって本当に難しいことなのだろうなと思います。
最初にパンクロックトリオって書いたけど音楽性よりもむしろアティチュードがパンクなのかな。スタイルだけのパンクよっかこっちのほうが断然好き。爆音で聴きたい!
「BACK TO NOW/LABELLE」
ディスコ世代にはお馴染みの名曲「レディマーマレード」で有名な三人組ラベルが突然復活。
76,7年には解散したはずだから30数年ぶりの新譜?
その間三人は三者三様の活動を展開。
その中でもリーダー格のパティラベルはアレサフランクリンとも並び称されるほどのソウルクイーンとして君臨。迫力のアレサ、表現力のパティ個人的にはそんな印象がある。
もう一人のメンバー、ノナヘンドリックスはロック寄りのアプローチでとんがったソロアルバムを何枚か出していた。
何となく一番影の薄いサラダッシュはそれでもストーンズのキースリチャーズのソロアルバムの中で渋いデュエットを披露して当時見直したものでした。
パティ以外は最近名前を見ることもなかったのですが、このど派手なジャケットを見る限りみんな元気そうで思わずニコニコしちゃうのです。
中身はスローなナンバーもけっこうあったりして、じっくり向き合えるソウルアルバムに仕上がってます。ラストナンバーなんか壮大すぎてめまいがしてきそうなほど。
機会があればぜひ聴いてみてください。
「ALREADY FREE/THE DEREK TRUCKS BAND」
みなさん知ってます?
若手の3大ギタリストって言われてる人の名前。
誰が言い始めたのか全くわかりませんが、ともかく一人目は最近衝撃のソロアルバムを発表したレッチリのジョン・フルシアンテ。
二人目はギターそんなに巧かったっけ?的なジョン・メイヤー。
三人目はこのアルバムの主役デレク・トラックスなのです。
あのオールマン・ブラザーズ・バンドに参加して空翔る犬(スカイ・ドッグ)といわれたデュアン・オールマンの再来だともの凄い評判になりました。
確かにこやつのスライドプレイはすごい。29歳にしてこのテクとフィーリング。
やっぱアメリカンロックっていいよな〜気づけばこのアルバムをついつい店内に流してしまうのです。
ゆったりとおおらかで、時に狂おしくエモーショナルな良作。耳を傾けるべし。
「LONDON UNDERSOUND/ NITIN SAWHNEY」
これは去年の暮れからのお気に入り。インド生まれのイギリス育ちの才人ニティン・ソーニーの最新作。
サウンド・クリエートぶりもともかく、ゲストヴォーカルの使い方などお見事としか言いようがない。
まず1曲目、ヒップホップ的ではない語り口調で2005年にロンドンで起きた地下鉄爆破テロのことを綴っていく、素晴らしいナンバーだ。さらにそれにもまして魅力的なのが5曲目の「マイ・ソウル」。
この曲はニティンとなんとあのポール・マッカートニーの共作でヴォーカルはもちろんポール。
最初聴いたときはポールの歌声の衰えぶりに狼狽したけど、聴けば聴くほど心に染みまくり。近年のポール作品の中じゃ間違いなくベストだと思う。
願わくば沢山の人にこの作品が届いてほしいのです。